ご挨拶
今回、伝統ある一般社団法人日本外来小児科学会(以下、本学会と略す)の第34回大会・会頭を務めさせて頂くこととなりました小児科内科三好医院の宮崎雅仁です。本学会の年次集会は毎年1回会員の学術的な研鑽・報告および会員相互の懇親の場として概ね東日本(関東以東)、中部・近畿、中国・四国・九州の3ブロックの持ち回りで開催されています。四国での開催は2016年8月に永井崇雄会頭の下で同じ高松で開催された第26回大会以来の9年ぶりの開催となります。ご存知の方も多いと思いますが、本学会は日本小児科学会の分科会の一つであり、小児医療、取り分け小児外来診療の向上を図ることを目的に1991年に日本外来小児科学研究会として愛媛県松山市で発足し、1999年に学会へと発展、2016年からは一般社団法人化へと組織改編されております。現在、その実質的な活動範囲は基礎研究を除く外来医療に限定しない小児医療全般に関する臨床的研究および教育の促進へと拡大しており、正に臨床小児科学会と言えるような存在へと発展しております。因みに本大会の秋季カンファランス(オータムフェスタ)は年次集会終了後の2025年11月2日にその発祥の地・松山での開催を予定しています。
前回の第26回大会からの9年間で世界を席巻したコロナ禍の影響や目覚ましい医学の進歩に伴い子どもたちの置かれた環境や小児医療は変革と表現する方が相応しい程に大きな変貌を遂げています。また、こども家庭庁の創設による政府・行政機能の一元化に伴い従来にないスピード感を持って子どもに関する施策が進められています。このような現状を踏まえて本大会のメインテーマを「あれから 9 年、こどもの医療はどう変わったか?」と致しました。新型コロナウイルス感染症の始まりから早3年越えとなりましたが、その流行は社会全体の生活様式に劇的な変化をもたらし、当然の事ながら子どもたちの日常生活にも多大な影響を及ぼしています。その中には私自身の専門分野である子どもたちの発達や発達障害に関連する領域、特に社会性に大きな影響が残存する可能性が高いネット・ゲーム依存を含むメディア視聴時間の増加や睡眠・覚醒サイクルの変容に伴う生活リズムの乱れ、リモート社会への急激な変換による対人・コミュニケーション能力の低下、が含まれています。個人的にはこれらを本大会の重要なサブテーマと捉えてそれらに主眼を置いた会頭講演や関連する講演・セミナーの開催を予定しています。尚、本大会では会員や参加者の利便性を考慮してオンデマンド配信も併用は致しますが、懇親会を含めて現地でしか楽しめない/味わえない企画・娯楽も数多く準備しております。是非、年次集会当日は可能な限り多くの方々が瀬戸の都・高松にお集まり頂きface-to-faceでの多分野にわたる活発なご議論が成されることを期待しております。
2024年8月吉日
第34回日本外来小児科学会年次集会
会頭 宮崎 雅仁
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